検 査Inspection

超音波画像検査

超音波画像検査

ベッドサイドで簡便に施行でき、
早期の治療方針の決定から
精度の高い診断にまで幅広く役立ちます。

体表から超音波を発信する装置(プローブ)をあて、主に内臓からの反射波をその装置が受け取り電気信号に変換しモニターに映し出す検査です。超音波画像検査のことをエコー検査とも呼びますが、Echoという単語は『こだま、反響』という意味です。

最大の特徴は、スペースをとらず、ベッドサイドで簡単に施行することができ、プローブをあてることができる領域ならどこでも評価が可能です。領域によって、頚部エコー、乳腺エコー、心臓エコー、腹部エコー、血管エコーなどと呼ばれます。

腹部超音波検査で消化器の状態を精密に評価

消化器診療では腹部超音波検査(腹部エコー)が初診時より活躍する機会が多く、主に肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などの実質臓器(胃や大腸などの管腔臓器と違って、中身がつまった臓器のこと)を守備範囲としますが、他にも膀胱や前立腺、子宮、大動脈、リンパ節等も評価可能です。

当院では、腹部エコー用のプローブ、心臓エコー用のプローブ、表在血管や頚部・乳腺用のプローブ、処置用のマイクロプローブなど用途に応じた各種プローブを取り揃えております。画像診断装置本体も最新のハイエンドクラスを採用し、精細な画像による精度の高い2D超音波診断に加えて、脂肪沈着や硬さといった超音波の原理を応用した非侵襲的な臓器の質的評価、超音波造影剤を用いたDynamic imagingによる腫瘤性病変の鑑別診断が可能な環境を整えております。CTと異なり被爆の心配もなく繰り返し行える検査ですので、早期発見、精密な評価、経過観察いずれにも有効な検査です。気になる症状がある方は、いつでも安心してご相談ください。

当院の超音波検査の特長

当院では、キヤノンメディカルシステムズ社製のハイエンド超音波診断装置Aplio a Verifiaを導入しています。Aplioシリーズは全身汎用型のハイエンド超音波診断装置として、20年以上の歴史をもつ国産エコー装置の代名詞であり、Aplio a Verifiaはその最新モデルになります。
本機種は最新の超音波パルス送信技術や受信信号の複数同時処理技術を用いることにより、ノイズが少なく、浅い部分から深い部分まで均一な画像描出が可能で、今までにない高精細画像を提供します。その恩恵として、従来以上に初期の段階で異常を発見できること、より詳細に疾患の状態を観察できることなどが期待できます。また、近年の疫学動向に即した臨床アプリケーションも多数搭載しており、病気を拾い上げるスクリーニング検査から、病気の程度(重症度)を評価する精密検査まで幅広く対応しております。

全身汎用型ハイエンド超音波診断装置 Aplio a Verifia

全身汎用型ハイエンド超音波診断装置
Aplio a Verifia

肝臓を例にあげると、近年話題になっている脂肪肝の程度を数値で評価し、経過観察をするためのアプリケーションや肝臓の硬さ(線維化)を測定し、肝硬変患者さんのフォローアップを行うためのアプリケーションを搭載しています。これらのアプリケーションの活用により、超音波画像だけでは検出困難な早期段階の病気を拾い上げできると期待されており、肝炎や肝硬変に進展していく前に治療介入することで、患者さんの健康寿命増進に寄与できればと考えております。
また、頸動脈や心臓では開発段階でAIを使用したアプリケーションを搭載しており、動脈硬化の指標である内中膜複合体の厚み、心機能の指標である左室駆出率を高精度に自動計測する機能を備えています。
これら多彩な機能を備えたAplio a Verifiaを用いて検査、診断を行うことで、当院では様々な疾患の患者さんに寄り添った医療を提供いたします。

Shear Wave Elastograph(SWE)

SWEはせん断波の伝播速度を測定し、組織の硬さを数値やカラーマップで表示できます。MAD(Measurement Area Detection)機能で標準偏差の小さい箇所を自動検出し平均値を自動で算出することで、客観性の高い肝臓の硬さ(=肝臓の線維化の程度)の評価を行えます。

Attenuation Imaging(ATI)

ATIは、組織内の超音波周波数依存性減衰の程度を計測することができる臨床アプリケーションです。肝臓に沈着する脂肪の量が増えるほど、反射により深部まで超音波が伝わらず減衰するため、減衰の程度から脂肪肝のレベルを評価することが可能です。

脂肪肝の症例 SWE(左画面)・ATI(右画面)

脂肪肝の症例 SWE(左画面)・ATI(右画面)


Contrast Enhanced Ultrasonography
(CEUS)造影超音波検査

超音波断層像の画質向上の技術のひとつであるハーモニックイメージング(生体の非線形性により発生する反射エコー中の高調波成分を使って画像化する技術)によるノイズの低減とコントラスト分解能の改善、これに超音波造影剤を組み合わせた観察法。超音波造影剤“Sonazoid”を血管内に投与し、経時間的に観察することで、肝臓の中の動脈、門脈の血流情報(early / late vascular phase)に加え、血管外のKupffer細胞に貪食された造影剤(Kupffer phase)をみることにより、肝臓の腫瘤性病変とりわけ肝細胞がんとその他の病変との鑑別に効果を発揮します。

Bモード画像

Bモード画像

ドップラー画像

ドップラー画像

造影モード画像

造影モード画像