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苦痛の少ない内視鏡検査と鎮静剤
2023年04月02日
皆さま、こんにちは
桜が満開の季節となり、京都も国内外の観光客がふえてきましたね。
当院でも、海外からの内視鏡検査を希望するかたがふえており、本日は苦痛の少ない内視鏡検査の話題です。
胃カメラでは、内視鏡を挿入する際にスコープがのどの奥に触れると反射によって吐き気や嘔吐(おうと)といった苦痛がみられます。一般には局所の麻酔薬をのど周囲にスプレーすることで、のどの感覚をおさえて嘔吐反射をやわらげます。しかし、もともと反射のつよい方や緊張・不安のある方は、それでもなお苦痛を感じることがあります。
大腸内視鏡検査では、内視鏡を挿入する際に大腸を伸ばしたり、大腸の中を広げてみるために空気を入れすぎると、お腹がはったり、痛みがでます。特に普段から便秘のある腸の長いかた、おなかの手術歴で腸の癒着のあるかたで、そのような症状がみられやすいです。
このような場合に鎮静薬などを注射することにより、意識を低下させて緊張をやわらげることで、苦痛を軽くすることができます。鎮静薬の投与量は、呼びかけに反応する程度の量に調整(意識下鎮静)しますが、ひとによっては血圧が下がったり、呼吸が弱くなることがありますので、検査中と検査後も意識がはっきりするまではモニターをつけて監視し、薬の効果がきれるまで院内で休んでいただきます。また検査が終わった後も、その日1日は自動車やバイク、自転車の運転を控えていただきます。
一方、鎮静薬を使用しなくても、医師の技量とともに医師と患者さんとの信頼関係によって検査に伴う苦痛がやわらぐこともしばしばみられます。当院では細い径の内視鏡を導入しており、鼻から挿入する経鼻内視鏡を施行することによって苦痛がやわらぎ、鎮静薬を使用しなくても検査を楽に受けることも可能となっています。
最近では「苦痛のない内視鏡」を望まれる患者さんが多くみうけられます。内視鏡検査は病気の診断のために受けて頂くものであり、検査も一回限りではなく、繰り返し受けていただくことも多いため、検査が楽に受けられることはベストな内視鏡診断につながり、患者さまへの恩恵も大きくなると考えます。
当院では、ひとりひとりの患者さまにあわせて、内視鏡検査の不安やストレスと検査による苦痛や不快感をなるべくやわらげることをモットーとしておりますので、お気軽にご相談ください。